鞍陵会 高校25回 ニュース VOL.28
新年あけましておめでとうございます。

2006年 新しい年の始まりです。
高校時代がはるか昔になってしまい、毎年歳をとるのが早くなっています。世の変化の流れが速く、自分は時代の流れに掉さしているのか、逆らっているのか分からないこの頃です。
30数年前の高校生活を考えると、本当に幼なかった自分が浮かんできます。世の中のことも良く分からず不安でしたが,一方では未知への興味がたくさんでした。世の中も現在の成熟した社会と比較すると雲泥の差です。しかし希望やらやりたいことがたくさんありました。
昨年は私達よりずっと若い世代のほりえもんや楽天の三木谷社長等マスコミを賑わせました。今までの観念や常識をくつがえすやり方に驚きました。
ところで今、私達は会社でも家庭でも、ある意味で後継者育成の年代になっていると思います。若い人にとってはとてもインパクトのある発言をしているかもしれません。つくづく若い世代を育てる責務があると感じています。そういった意味でも私達の活躍の意味があります。今年1年元気でやりましょう。くれぐれも健康に留意されてください。なお田中クリニック院長の田中裕君より健康についてのテーマで原稿をいただいています。
平成18年元旦  牟田 淳一


50代からの健康づくり
新年明けましておめでとうございます。
みなさんお元気ですか。お元気な方もそうでない方もおられるでしょう。でも50歳を過ぎれば、あちこちガタが出て来るのが普通ですよね。
さて、このたび牟田君より、健康をテーマに原稿の依頼がありました。いろいろ健康課題はありますが、今回は筋肉に焦点を当てて話をさせていただきます。
今、私は北九州市若松区で内科診療所を開業しております。高血圧症、高脂血症、糖尿病などのいわゆる生活習慣病の患者さんが来られます。食事、運動療法などの生活指導をし、だめならお薬を処方します。これは何をやっているかと言うと「動脈硬化症対策」です。動脈硬化の進展を防ぎ、将来の虚血性の疾患に備える。もちろん最重要課題です。
ただ、ここでひとつ欠落しているものがありました。それは筋肉に対する対策です。まず、始めに自分を含めて周りの人を観察してみてください。姿勢の悪い人が多いのに気づくと思います。これは体を支える筋肉の衰えによるものです。首、肩、頭、腰、膝などの痛みの原因になります。関節を痛めると活動性が低下し、筋力はさらに衰えます。筋肉はマッスルポンプと言われるように、血液を心臓に戻す働きをします。したがって、筋力が衰えるとこの機能が低下し血圧のコントロールが難しくなります。筋肉は糖を取り込みます。ですから、血糖値のコントロールも難しくなります。
このように筋肉が衰えると、生活習慣病の予防、治療もうまく行かなくなります。また活動性が低下し、行動範囲が狭くなり、関心が持病の方に向きがちになります。気持ちが外でなく、内にばかり向かうようになると心の病の発症の心配も出てきます。
昨今、人生80年時代などと言われていますが、現場の人間である私の感触では90年です。長生きするのは大変結構ですけれども、身体と頭が不自由な状態での長生きならあまり幸せとは言えません。人生を今を含めて30年、40年先も楽しむためには、血管に対するケアだけでなく筋肉に対するケアも大事です。
私事ですが、私の診療所では約一年前から、中高年者を対象に筋トレ室を併設しました。筋肉に対するケアの重要性を、患者さんの変容ぶりを見て目から鱗の思いで、再認識しています。50代からの健康づくりに筋肉に対するケアをお忘れなく。

2006年1月